*イスラム界を激怒させたローマ法王ベネディクト16世 / ル・モンド紙

                          
                          

イスラムに対するローマ法王の発言が物議を醸している今日このごろ。
一体,ベネディクトXVI世は何を言ったのか?イスラム教諸国はどうしてそんなに怒っているの?
・・・というわけで,今日はルモンドの記事です。

Critiques et colère des musulmans contre Benoît XVI 』 Le Monde 2006年9月15日
預言者ムハンマドの風刺画事件から半年。9月12日にドイツのレーゲンスブルク大学で行われたローマ法王ベネディクト16世の演説は翌日,イスラム界を再び激怒させた。抗議はトルコをはじめ,パキスタン,エジプト,クエート,マグレブ諸国から殺到した。11月下旬に法王が予定している次なる訪問先は・・・よりによってトルコなのだ。もし騒ぎが拡大するようならば,その訪問自体を再検討すべきだろう。バチカンはもちろんのこと,穏健派のイスラム諸国も事態の解明と説明を要求している。

法王が引用したのは,14世紀に『ジハードについての論争』の中で,聖戦と(皇帝によれば)イスラム教固有の暴力への傾倒を厳しい言葉で非難した,ビザンティン帝国マヌエル2世パレオロゴス皇帝の声明だ。ギリシャの哲学者や聖アウグスチヌス,トマス・アクィナスの遺志を受け継いだキリスト教とは異なり,イスラム教は信仰という大義名分の下に暴力を明確に弾劾することを避け,理性と近代化を決して受け入れようとしない---。法王は今から6世紀も昔の言葉を引用することで,そんなイスラム教のイメージを永遠に植え付けようとしているのだ。

間髪を入れず,イスラム界から抗議が沸き起こった。トルコの宗教省責任者であるアリ・バルダコグル氏は,この発言を『憎悪に満ちた』ものであると非難し,イスラム界にとって,このような信条を持つ人物がトルコを訪問する意義は『全くない』と表明した。メディア界もまた,このドイツ人の法王に対して寛容ではないようだ。なぜなら彼は昔,まだラッツィンガー枢機卿に過ぎなかった時代に,トルコのEU加盟に反対を表明した過去があるのだ。ミリエット紙(*訳注)は,『法王は反イスラム的思想を隠すために,ビザンティン皇帝の発言を”防御壁”として利用したのだ』と非難している。

* 訳注・・・Milliyet紙。強大なメディアグループ傘下にある,1950年創業のトルコ日刊紙。1979年に編集長を暗殺した男は,後に当時のローマ法王ヨハネ・パウロ2世の暗殺未遂事件を起こした人物だとか。

今日は短いのですー。いつもこれぐらいだったらいいのに(笑)。実はもっともっと長い記事だったのですけど,イスラム各界からの批判やバチカンの話が延々と続くので,勝手に省いてしまいました。(オイ) ちなみにフランスでは,ベネディクト16世はブノワ16世。前法王ヨハネ・パウロ2世はジャン・ポールだし(これはまだいい),例のドイツのレーゲンスブルク大学は『 ラティスボンヌ 』大学。・・・わかりにくいったら・・・。一応ここでは日本メディアでの呼称に統一してます。

6 Comments

modernosaka  

今のローマ法王ってこの記事を読ませてもらった限りでは、
イスラム教に偏見を持った人みたいですね。
よくがこんな人が・・・いやむしろ、そういう人をあえて
法王に選んだのか・・・?
なんにしても影響力のある人なんだから、
発言には気をつけないと、それこそ一部の過激な
イスラム教徒の暴力を助長しますね。
・・ところで、同じヨーロッパでも
読み方全然違うんですねーー!
ヨハネ・パウロがフランスではジャン・ポールになるんですか!
おもしろい、というか発見です!
あ・そういえば、web拍手ですが、何度かさせてもらいましたが、
15日の18時ごろにさせてもらったかどうかは
ちょっと覚えてないです・・・v-34


2006/09/23 (Sat) 02:25 | EDIT | REPLY |   

bebepiupiu*  

i-257 to: modernosakaさん

拍手,勝手に思い込んでしまってゴメンナサイ~!!
しかも,数日前の拍手なんて,
拍手してくださったご本人さんだって覚えてらっしゃらないですよね。。。i-229

modernosakaさんのおっしゃるとおり,
ローマ法王に悪意はなかったとしても,非常にデリケートなテーマに対して
思慮が足りなかったのでは・・・と思ってしまいます。
しかも,オスマン帝国と因縁の宿敵関係にあった
東ローマ帝国の皇帝の言葉を引用するなんて・・・i-230

そうそう,
フランスって,なんでもフランス風に発音しちゃうんですよね☆
ほんと,楽しいような,ややこしいような・・・e-262

2006/09/23 (Sat) 23:05 | EDIT | REPLY |   

shikahiko  

まぁ、言ってみればライバルの宗教だから、批判したくなるのは解らなくはないけれど、一枢機卿時代とは立場が違うことを認識すべきだね。前法王が宗教間の和解を呼びかけたのを帳消しにしちゃうよね。

ほんと、さすがは自国語に誇りを持つ国民らしくて、それはそれで良いなって思っちゃうね。ベベさんはややこしいだろうけれど、今後もよろしく!(^-^)

2006/09/24 (Sun) 14:55 | EDIT | REPLY |   

bebepiupiu*  

i-275 to:shikahikoさん

shikahikoさん,こんばんは。

ほんと,ヨハネ・パウロ2世は
他宗教との対話と共存を望んだ,画期的な法王でしたね。
今の法王は,(キリスト教同盟としての)ヨーロッパ至上主義的な思想が
垣間見えるのが,ちょっと気掛かりです。。。

フランスでの,フランス語へのこだわりはスゴイですよねi-229
英語至上主義の流れに負けないで,美しい母国語を守ってもらいたいですi-189
はい,わたしもがんばります~!
こちらこそ,どうぞよろしくお願いしますi-265

2006/09/25 (Mon) 12:32 | EDIT | REPLY |   

ちぇぶ  

宗教の問題は繊細なだけに今回のことではどうなることやらとドキドキしてました。

宗教って人の心のよりどころで清いもののはずなのに、
どうしてこうなっちゃうのでしょうね。
信じる心を持つ者同士お互いを尊重できたらどんなにいいか。
もうこじれにこじれた問題。
きれいごとだけではやっていけないのでしょうねぇ。

2006/09/26 (Tue) 13:30 | EDIT | REPLY |   

bebepiupiu*  

i-221 to: ちぇぶさん

ちぇぶさん,こんばんは~e-75


>宗教って人の心のよりどころで清いもののはずなのに、
>どうしてこうなっちゃうのでしょうね。


ほんと,そうですよね。。。
『自分の信じる宗教が他の宗教よりも優れている』と思う傲慢さのせい?
・・・とは,フランスのTV番組の
宗教ジャーナリストの発言の受け売りです~i-229

わたしは無宗教者なので
口をあんぐり開けながら,事態を遠くから見守ることしかできないけれど,
みんなが仲良くするのがどうしてこんなに複雑で困難なのか,
分かるようになりたいです・・・i-241

2006/09/26 (Tue) 23:50 | EDIT | REPLY |   

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