*フランス,死刑廃止から25年。そして・・・/ リベラシオン紙より

                      

自ら発明したギロチンで血塗られたフランスの歴史が幕を閉じたのは,1981年。今から四半世紀前,社会党ミッテラン政権下のフランスは,死刑制度を廃止しました。ところが今回,世論調査機関( TNS Sofres )がフランス国民にアンケートを実施したところ,
 * 『 死刑廃止を今のまま維持すべき 』=52%
 * 『 死刑制度を復活させるべき 』=42%

・・・という意外な結果に。フランスが死刑廃止を誇りに思っているのは,紛れもない真実。それにも関わらず,相当数のフランス人が死刑制度の復活を望んでいる,という事実が,静かな議論を呼び起こしたようです:

『 CONTRE-COURANT -- 流れに逆らって --』 Par Antoine de GAUDEMAR

リベラシオン紙 / 2006年10月9日/社説( 司法 )より拙訳

右派にせよ左派にせよ,多数派意見に魅了されるすべての者たちは,フランスにおける死刑制度廃止の歴史を改めて考察すべきだろう。1981年,フランソワ・ミッテラン大統領と法務大臣ロベール・バダンテールが死刑廃止を可決させた時,フランス世論の3分の2はそれに反対していた。25年後の現在,もし一部の人たちがいまだにギロチンを懐かしく思い,裁き手の憎悪を迸らせているとしても,死刑制度はもう議論の余地さえない。死刑に犯罪抑止力がないことは経験上明らかであるし,死刑廃止以降も犯罪率は上昇していない。他の多くの国でも死刑制度はすでに廃れており,死刑制度を法的または事実上廃止した国は1981年以降,倍増している。2005年に世界で執行された死刑のうち94%は,4つの国---数の多い順に,中国,イラン,サウジアラビア,アメリカ---に集中している。つまり,この25年間の間に『 死刑の執行は,司法の敗北である 』という考えが世界中に広まったのだ。
それは,特に司法と治安の分野において,煽動政治デマゴギー大衆迎合主義ポピュリズム,そして最も集団的な本能をくすぐるもの全てに影響されがちな,移り気な世論に逆らい,確固たる信念を持って政治的戦いに挑むことがいかに重要であるかを示している。この教訓は,多数派意見をもてはやす現代においてこそ,貴重なのだ。なぜなら多数派意見とは,世論に支持されれば自分が正しいと思い込み,それを実用主義的または日和見主義的な支配手段の正当化に利用する傾向が強いからだ。政治における世論とは,常に長期的視野に基づいているとは限らないのである。
*   *   *   *   *   *   *   *
・・・つまり,25年前,世論に逆らってまでフランス議会が死刑制度を廃止したのは間違っていなかった,なぜなら世界は今,それに倣っているではないか,ということですね。多数意見に迎合することの危険性を警告した記事でもあります。
では,日本の死刑制度の是非は?・・・わたしは正直,迷っています。。。フランスから帰国するまでは,死刑制度は廃止すべきだ,とずっと思っていました。冤罪,絶対的正義”を振りかざすことの危うさ,そして法の名の下に人が人の命を奪うことの傲慢さを恐ろしく思うからです。その気持ちは今も変わりません。けれど帰国後,日本で凶悪犯罪がはびこる悲惨な現状に直面し,被害者とその家族(または遺族)の心情を考えると,居たたまれない気持ちになります。自分がその立場になった時に,果たして今と同じこと(死刑廃止)を主張できるだろうか?・・・と。

8 Comments

omichan  

お久しぶりです。bebeさんのこちらブログは、全く前と違った感じで驚きです。フランスの政治に興味が、あるんですね。死刑復活については、テロとかひどい犯罪が、増えているからなのでしょうか、、。もうすぐマリーアントワネットの米映画が、封切られます。やはりギロチンで処刑された王妃として忘れられません。

2006/10/22 (Sun) 13:55 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu  

i-77 to: omichan

omichan,いらっしゃいませi-274

確かにここは,本家とはちょっと趣向が違うのですけど,
わたしの中ではどちらも自然に両立する分野なんです*^-^*
政治に興味がある,というよりは,単になんでも『 知りたがりぃ 』なだけです(笑)。

『マリー・アントワネット』,
カンヌ映画祭では賛否両論だったようですけど
『 ソフィア・コッポラ的マリー・アントワネット 』ワールドを
純粋に楽しむのがいいみたいですねi-236

2006/10/23 (Mon) 00:23 | EDIT | REPLY |   

ちぇぶ  

そうそう、フランスってすごく華やかなイメージと残酷なイメージがあります。死刑制度ないのですね。。。。無知な私は知りませんでした。
死刑。。。私も悩みます。

2006/10/24 (Tue) 01:21 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu  

i-275 to: ちぇぶさん

ちぇぶさん,こんばんは^-^*

いえいえ,無知だなんてとんでもないデスi-230
わたしなんて,それ以下ですから!
いっしょに勉強してゆきましょ~i-236

死刑制度は,わたしも考えれば考えるほど
結論が出ないのです。。。うーんi-202

2006/10/24 (Tue) 23:01 | EDIT | REPLY |   

rop  

これは難しい問題ですね

はっきりと覚えてないので名前は控えますが
とある日本の政治家が(故人ですが)死刑の賛否についての話で 
「犯罪者の人権ということばかり言うが 被害者の人権はどうなるのだ」というような話をしていたのを記憶しています

まだ 中学生で先生が死刑についてウンチクと・・・という時期だったのでその言葉が記憶に残っています
余談ですが 今 思うとその先生は「死刑廃止論」に偏等していたような気がします

死刑の賛否のみに限らず司法制度や世間知らずの未熟な裁判官
などこういう問題は数え挙げれば切がないと思います
人が人の生死を裁くというところに矛盾があるような気がするし
それを言うと法治国家として成り立たないし・・・
結論を出せないような問題ですね

個人の胸の中にしまっておきましょう(笑)

日本人的な発想ですが・・・
ギロチンというのは・・・どうも・・・(汗)


2006/10/25 (Wed) 23:27 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu  

i-40 to: ropさん

ropさん,こんばんは!
実はわたしも過日の『 ropさん状態 』(←すごく失礼な言い方かも・・・i-229)に
なりかけてます(笑)
パソコンのハードディスクが壊れて,
いま,けっこう大変なことになってるのです~e-277
ほんと,心臓に悪いです。。。ドキドキ。i-182

さて,『 被害者の人権 』は今でこそ注目されていますけど
昔,それを生徒に教えたropさんの先生,
先見の明がおありだったのでは・・・i-257

おっしゃるとおり,
死刑制度を廃止するためには,日本では司法制度が整っていないし,
倫理的な問題もまだじゅうぶんに議論されていないようです。
でも,国際世論の流れや人権重視の面から,
日本もいつかは死刑廃止が実現するのでは・・・と思っています。

『 個人の胸の中にしまって 』おくなんて,もったいない~(笑)。
ropさんの貴重なご意見,また聞かせてくださいねi-265

2006/10/28 (Sat) 23:45 | EDIT | REPLY |   

どこにいるの?  

死刑廃止かあ。廃止したらリンチが増えるよきっと。社会が個人に変わって殺人してあげないと、罪を犯す人が出てくる。自分ではできない人もいるので、殺人を職業にする人が死刑廃止をしている外国並みに増えるかも。死刑があっても普通に暮らしている人はえん罪以外関係ないから安心。確固たる証拠があれば死刑にしてもいいという死刑廃止論者がほとんどだと想像するけれどどうだろう。ほとんど執行していないんだから制度として残しておく価値はあると思うよ。この国では初犯なら人一人殺しても死刑にはならないという全くあまちゃんの国なんだから目を三角にして死刑廃止を訴えなくてもよいと思う。諸外国に遅れていても追いつく必要はない。マイペースで文化や歴史を刻んでいった結果死刑廃止ならば廃止でいいし、死刑以上のものを作るならそれでもいい。それぞれお国の事情があるんだから、それを無視するとねじれた感情が生まれきっとうまくいかない。

2006/11/05 (Sun) 22:47 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu*  

i-257 to: どこにいるの?さん

どこにいるの?さん,はじめまして。

『リンチ』って,死刑判決を免れた犯罪者(容疑者)への私的制裁のことですよね?
・・・うむむ。それでは確かに,無法地帯になってしまいますね。
死刑制度の代替として,確実に塀の外に出て来られない,という
保証付きの無期懲役さえ実現可能ならば,
犯罪者への私的制裁を回避することはできるのではないでしょうか?

確かに今現在,日本で起きている悲惨な犯罪,
そしてその被害者・遺族の気持ちを考えると,
極刑以外に解決手段がないように思えて,悲観的になるときもあります。

ただ,死刑廃止を敢行した国々のデータは
幸いなことに希望が持てるものが多く,
わたしはそれに期待したいと思うのです。。。

国際世論に倣うか,それとも国独自の政策・倫理を優先するか,
それは非常に興味深い論題ですね。
貴重なご意見,ありがとうございましたi-265

2006/11/06 (Mon) 23:34 | EDIT | REPLY |   

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