* 2007フランス大統領選,現時点での分析と概観--前半 / リベラシオン紙

                         

3月13日,シラク大統領が正式に今回の大統領選への不出馬を表明しました。シラクの演説(←クリックでビデオが開きます)はさすがに感慨深く,たとえ過去の大国とはいえ,フランスという複雑極まりない国を12年間治めた元首の誇りと威厳を感じさせるものでした。シラク統治の総括については,ル・モンド社主による社説を後日紹介・・・するかもしれません。(←すごく長いので,今は訳す気力がありません・・・T-T)さて,5月の第一回投票を控え,サプライズ続きのフランス大統領選。当初はサルコジ VS ロワイヤルの二大対決が予測されていたものの,最近の世論調査ではUDF党首フランソワ・バイルが驚異的な伸びを記録するなど,先が読めない混戦状態に。状況の整理も兼ねて,フランスの主要世論調査機関6社の専門家による『 分析と総評 』 をリベラシオン紙からお届けします。今日は前半の3人分です。


世論調査の専門家ら,フランス大統領選を分析する (前半)
-- Les instituts de sondages nous donnent leur analyse --
( 2007/02/27付 /リベラシオン紙・大統領選特集より )


Ifop Frédéric Dabi ( イフォップ / フレデリック・ダビ氏 )
「バイルの支持者は,もっとも気まぐれな有権者である」


今回の大統領選はいささか常軌を逸している。国民の関心は非常に高いが,誰を支持するか決めかねている人が非常に多く,その割合はなんと全体の半数にのぼる。しかしながら,以下の3つの重要な要因を指摘することができよう。
1. まず,左派が非常に弱いことだ。2002年(の大統領選)の時よりも,さらに低迷しており,1969年の大統領選と1993年の国会議員選挙の時と同様だ。”左派の中の左派”(極左など)も低迷しているだけに,この状況は社会党にとって厳しいものである。
2. 次に,二大候補(サルコジとロワイヤル)が接戦状態である,ということだ。セゴレーヌ・ロワイヤルはTF1(フランスの人気TV局)の番組に出演して以来,信頼を回復している。
3. 最後に,フランソワ・バイルによるサプライズだ。彼の人気はとどまることを知らない。だが,ほかの候補者に比べて,彼の支持者たちは浮遊票であり,この中道派の候補者(フランソワ・バイル)がもっとも力を入れなければならないのが,この支持者たちを固定化することだ。彼の支持者の大多数が右派だとしても,彼はロワイヤルに失望した有権者と,サルコジのあまりにも右的な政策を懸念する有権者を惹きつける可能性がある。

CSA Stéphane Rozès ( セー・エス・アー / ステファンヌ・ロゼス氏 )
「ロワイヤルは,部分的に持ち直した」


前哨戦に続き,大統領選は第一回投票に向けてようやく本番に入った。この段階で各候補者は,それぞれの人格と価値観を矛盾なく統合させる必要がある。つまり,”スピリチュアルな側面”と”政策内容”のことである。問題は,どの洗剤がいちばん白く洗濯できるか,を確認すれば解決できる次元ではない。また,決選投票で自問すべきは,”誰に家(* 大統領邸=エリゼ宮のこと)の鍵を託すか?”であろう。
セゴレーヌ・ロワイヤルは,一時は支持率が下落したものの,TF1( * 前述)に出演したおかげで,部分的とは言え人気を回復した。彼女がヴィルパントで行った演説とは反対に,国民と率直な関係を築き上げることに成功したのだ。フランソワ・バイルについては,まだ構築途中の現象と言えよう。国民が,ロワイヤルとサルコジが”政治をひっくり返す”と信じていた頃は,バイルへの支持は非常に低く5%足らずであった。しかしそれ以来,バイル支持率は伸び続け,17%に達した。私は”生票を投じるべきだ”という考え( *訳注 : 第一回投票の段階で,決選投票に勝ち残るであろう2人のいずれかのみに票を投じるべきだ,とする考え)には賛成しかねる。なぜなら第一回投票によってこそ,有権者はカウンターを再びゼロに戻すからである。

BVA Jérôme Sainte-Marie ( ベー・ヴェー・アー / ジェローム・サント=マリ氏 )
「大統領選は,より相対的である」

これまでは二人の候補者ロワイヤルとサルコジによる二極集中型の大統領選であった。ところが目下,この二大候補者はフランソワ・バイルによって突破口を開かれ,大統領選はより相対的な様相を呈し始めた。これは非常に不安定な現象だが,同時に攪乱的でもある。なぜなら,この現象は極右からでも極左からでもなく,真ん中( * 訳注 : 中道派のこと )から生じたからだ。いずれにせよ,これは2002年のシュヴェヌマン氏の時とは状況が異なる。というのも,シュヴェヌマンは一度もバイルのように高支持率を獲得したことがないし(最高で14%),同時期,つまり2月の時点ではすでにその勢いは衰え始めていたからだ。
しかしながら,バイルへの国民の支持はあっと言う間に下降する可能性がある。我々が留意すべきは,バイルに必ず投票する意思がある人の割合が相対的に低い,という点だ。今,中道派候補(バイル)は二者択一を迫られている。電撃的な勝利か敗北か,だ。反対に,ジャン=マリ・ルペンへの支持率は10-11%と低迷している。それは,彼の昔の支持者が今やサルコジに寝返っているからだ。

2 Comments

ちぇぶ  

以前もコメントしましたが、フランス大統領選本当に楽しみになってきました☆シラク大統領の演説のニュースは超簡単にテレビで見ました。記事楽しみにしてますねぇ☆

2007/03/15 (Thu) 02:07 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu*  

i-275 to: ちぇぶさん

ちぇぶさんも演説,ご覧になったんですね~i-221
( 記事内にビデオのリンク,貼っておきましたi-265

フランスの大統領選がこんなに盛り上がるのは,
フランスは国民投票によって大統領が選ばれるから,だと思います。

国民ひとりひとりが,もっともふさわしいと思える人を選ぶから,
候補者たちも必死で,国民の心に訴える政策を打ち出すわけですねi-277

記事も読んでくださって,ほんとうにありがとうございます~i-237
がんばって書きますよぅ~i-259

2007/03/15 (Thu) 22:44 | EDIT | REPLY |   

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