2007 フランス大統領選,分析と総評。(後半 / リベラシオン紙より)


虎視眈々サルコジ   ぬぼーっとバイルー キレイなだけじゃないの

さて,3月16日に大統領候補の条件である500の署名(フランスの各市長,地方議員,国会議員,上院議員による公認)を提出することができた候補者11人(いまだ不確定なボヴェおじさんを加えれば12人)がそろいました。(それぞれの候補者のプロフィールと状況はこちら。)・・・というわけで,今日は前回からの続きです。↑は,LC1の大統領選挙特集ページで見つけた写真。(ちょっぴりフォーカスかけてます。サルコジさんの視線がコワすぎるので・・・笑 )3大候補者の特徴をよく表していますよね。実力派で野心家のサルコジ,ぬ~ぼ~っとしたソフトさが売り(むしろ短所?)のバイル,美しくブルジョワなイメージのロワイヤル。(ちなみにこのブログは基本的に管理人が撮った写真のみ載せていますので,この写真は後日こっそり削除しときますね^-^;;)では,後半へGO!


世論調査の専門家ら,フランス大統領選を分析する (後半)
-- Les instituts de sondages nous donnent leur analyse --
( リベラシオン紙・大統領選特集 2007/02/27付より )


LH2 François Miquet-Marty ( エル・アッシュ・ドゥー / フランソワ・ミケ=マルティ氏 )
「いまだ態度未決の有権者が非常に多い」


フランソワ・バイルの急激な追い上げと,セゴレーヌ・ロワイヤルの一時的低迷と回復からも見て取れるように,非常に変化に富んだ大統領選と言えよう。前回の2002年(の大統領選)の時よりも更に激しい選挙だ。この状況は以下の2つの理由による:
1. 第一に,態度未決の有権者の割合が非常に高い。5年前(の大統領選)よりも,さらに高くなっている。100人を対象に我々が実施した最新の世論調査では,11%が答えを留保し,残りの89%は支持候補者の名前をひとり挙げたが,そのうち59%が『 考えを変える可能性がある 』としている。
2. もうひとつの決定的要因は,大統領選に対するフランス国民の関心が非常に高いことだ。これらの2つの要因を照らし合わせれば,有権者が政治関係TV番組に影響されている傾向が見てとれる。
私個人としては,さらに3番目の理由を付け足させてもらいたい。有権者の姿勢が非常にフレキシブルだということだ。たとえば,極左の支持者がロワイヤル( 社会党 )を支持し,2002年に左派に投票した有権者がバイル( 中道派 ),さらにはサルコジ( 右派 )を支持するという現象だ。

TNS Sofres Brice Teinturier ( テー・エヌ・エス・ソフレス / ブリス・タンチュリエ氏 )
「サルコジとルペンの支持率は非常に安定している」


第一に注目すべきは,今回は圧倒的な潮流というものが存在しないことだ。むしろ,ニコラ・サルコジとジャン=マリ・ルペンの(支持率の)安定が目立つ。文頭に指摘した点に矛盾するようだが,確かにセゴレーヌ・ロワイヤルとフランソワ・バイルと取り巻く世論の動きは存在する。1月以降のバイルの人気上昇は,社会党の候補者( * ロワイヤルのこと )の犠牲の上に成り立っている。ちょうどロワイヤルが有権者の声に耳を傾けている時期にバイルの支持率が上昇しており,それはまるでロワイヤルが失言をし,国民の信用を失ったかのような印象を与えた。そして,彼女の低迷が決定的になってしまった一番の理由が,TF1( * 前半記事参照)の番組に出演したからなのか,ヴィルパントでの演説( * 訳注① )のせいなのかは定かではない。だが,そんなことは取るに足らない。事態はこれからもじゅうぶんに変わり得る,と私は思っている。有権者はいまだ熟慮中であり,候補者のメディアへの露出が投票を左右すると思ってよいだろう。そして,2月だけで運命が決せられるわけではないのだ。

Ipsos Pierre Giacometti ( イプソス / ピエール・ジャコメッティ氏 )
「選挙は4人の候補者に集中している」

もっとも重要な現象は,二大候補者ロワイヤルとサルコジの支持率が前回の大統領選にくらべて非常に高いことだ。ふたりの支持率を合計すると約60%に達するのに対し,2002年(の大統領選)ではリヨネル・ジョスパンとジャック・シラクを合わせても45%だった。もしこの傾向が続くようなら,この二人は確実に決選投票に進むだろう。フランス国民はセゴレーヌ・ロワイヤルとサルコジを実際に認知し,それが2002年4月21日( * 訳注② )の出来事に起因することは間違いない。それに,このふたりは体制によって強制された候補者ではなく,世論が”作り上げた”候補者なのだ。
もうひとつの興味深い現象は,”第三の男”が存在するのではなく,番狂わせを引き起こし決選投票に進む可能性さえある,非常に有能な二人の挑戦者( * バイルとル・ペンのこと)がいる,ということだ。”小さな”候補者たち( * 訳注③ )が3月22日以降,正式に大統領選の恩恵にあずかるとはいえ,今回の大統領選はこの4人の主要候補者たちに集中するものとなるだろう。
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 キーワード & 訳注 
*①ヴィルパントの演説
・・・1月14日,セゴレーヌ・ロワイヤルがパリ郊外ヴィルパント市(セーヌ・サンドゥニ県)で大統領選の100の公約を発表した。慎み深く節度ある演説は,一方で『 情熱が感じられない 』とも言われ,国民との距離を縮めることが出来なかった。演説効果で上昇が期待された支持率も,結果的には以前と変わらず。
*②2002年4月21日
・・・前回(2002年)の大統領選の第一回投票日。シラク(当時の大統領)とリヨネル・ジョスパン(社会党・当時の首相)が決選投票に進むと誰もが信じていたが,ジョスパンがルペン(極右FN党)にまさかの敗北。シラクVSルペンの対決に持ち込まれた。ジョスパンは即日,事態の責任をとり,劇的な政界引退を表明。この予想外の展開にフランス全土は『 極右に政権を渡すな 』と立ち上がり,その恩恵にあずかったシラクはルペンに大差(82%)で圧勝し,大統領に再選された。。(ちなみにその後,イル・ド・レ(レ島)の隠居生活に飽きたのか,すっかり前言撤回状態のジョスパンさん。実は,今回の大統領選で立候補する気満々だったのですが,ロワイヤル人気の前に,時すでに遅し,だったのでした・・・。)
*③小さな候補者たち
・・・決戦投票(第二回投票)に進む可能性の高いサルコジとロワイヤル,そしてバイル,ルペンをのぞく,その他の候補者たち。
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こうやって(前回のと合わせて)6人の専門家の意見を比べてみると,それぞれ意見がかなり違っていておもしろいですね。人気急上昇中のフランソワ・バイルを『 第三の男 』と見るのか,それともだたの一時的な現象と見るのか?セゴレーヌ・ロワイヤルは,一時の勢いをなくして低迷し続けているのか?それとも回復したのか?このふたりの候補者について,専門家の意見が分かれているようです。サルコジが他の候補者を圧倒していることは,異論なし!個人的には,最後のジャコメッティ氏の意見がいちばん妥当かなあ,とは思います。でも,フランス国民の半分がまだ迷っているようだし,最後の最後まで予断を許さない選挙戦になりそうです。。。

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