* フランス大統領候補プロファイルNo.2---セゴレーヌ・ロワイヤル

さっくり2回目。今日は,サルコジの最大のライバルであり,彼とともに決選投票に進む可能性の高いセゴレーヌ・ロワイヤルさんです。ちなみに前回から大統領候補者プロファイルを引用させてもらっている仏紙レクスプレスですが,ここの名物ディレクターは仏メディアでも有名なクリストフ・バルビエという人。辛口でユーモアセンスも抜群,非常に頭の切れる人物(でも,さりげなく推測を誤る・笑)ですが,この人の出たがり屋っぷりに毎回お茶を吹きそうになるのはわたしだけでしょうか!? photo by © LEXPRESS.fr

ロワイヤルの選挙キャンペーンPV→ click

Ségolène ROYAL | Age:53 | 元環境相,弁護士 | 社会党 L'EXPRESS紙より

これまでの功績
2006年11月,社会党の党内選挙でライバルのドミニク・ストロス=カン(20,6%),ロラン・ファビウス(18,7%)を大きく引き離し,60%の支持を獲得。党公認の大統領候補に選ばれた。事実上の夫(*訳注①)を戦場から外し,エレファント達(* 訳注②)に惨敗を強いた。


これまでの失敗,失言
カナダのケベック州の独立を支持する発言,中国の裁判制度を賞賛,海軍が所有する潜水艦の数を答えられなかった,など。・・・とはいえ,容易に答えられるテーマでもあるまい。


愛読書・・・ヴィクトル・ユーゴー著 『 静観詩集 』 (Les Contemplations)

大統領選における戦略
セゴレーヌ・ロワイヤルは社会党幹部らに頼ることなく,彼女の近親者のみに助けられながら,たったひとりで国民の支持を獲得してきた。彼女の戦略は,『”市民参加型の民主主義”のメソッドにのっとり,フランス国民と対話すること 』だ。すでに2005年から,彼女はウェブサイトを立ち上げ,着々と準備を進めてきた。党員たちと5000もの討論を企画し,その中で生まれたアイディアを自らの政策に取り入れることを約束した。しかし,世論の支持が減少するにつれ,戦略のマイナーチェンジを迫られる。エレファント達がロワイヤルに作戦を方向転換するよう進言し,彼女は譲歩したのだ。ニコラ・サルコジを前に犠牲者としての立場を強調し,よりエネルギッシュな演説を展開。ライバルを激しく攻撃した。しかし,あくまでライバルとの直接対決を巧妙に避けている。


世論調査における支持率・・・25%前後
ロワイヤルはサルコジと共に世論の寵児であるが,ライバルであるサルコジが1月14日にUMP(与党右派)公認の大統領候補に選出されて以来,彼女の支持率に翳りが見え始めた。ロワイヤルが失言やへまをするたびに,そのオーラや政策はすこしずつ輝きを失い,一部の支持者は方向を見失ってしまった。その結果,ロワイヤルの選挙キャンペーンに風穴が空いた。1月中旬以来,決選投票についての全ての世論調査で,与党党首(*サルコジのこと)がロワイヤルに2~8%の差で優っている。しかしながら,挽回の可能性がないわけではない。


ロワイヤルのイメージ
エナ出身(*訳注③)であり,25年ものキャリアを持つ女性政治家であるにも関わらず,セゴレーヌ・ロワイヤルは自らを新世代の政治家と自負している。しかしそれが,彼女の外見やスタイルだけでないことは,この社会党候補者の断固とした口調からも明らかだ。彼女が2007年に目指すのは,”偉大なるフランス”でも”たおやかな力”でもなく,女性らしさと連動させた”願望”なのだ。ロワイヤルの魅力は,人々に親しみを感じさせ,フランス国民の声に耳を傾けることだ。それは,市民参加型の討論会やアフターピル解禁,ビズタージュ(*訳注④)禁止など,社会問題への真剣な取り組みにもよく表れている。フェミニストで挑発的ではあるが,同時に家族や伝統的な価値観を大切にするロワイヤル。彼女は,(右派と左派の)政治的差異を攪乱させることに成功した。何よりもその国民的人気を背景に,ロワイヤルは右派の得意分野に踏み込むことさえ厭わないのだから。しかしそれは,左派の有権者を混乱させるリスクを伴うだろう。


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 キーワード & 訳注 
*①事実上の夫
・・・社会党第一書記( 党首)のフランソワ・オランドのこと。ロワイヤルとオランドはエナ時代の同級生で公私ともにパートナー。『 事実上の夫 』なんて書くと日本的にはなんだかヘンなかんじですが,フランスでは結婚という形にとらわれないカップルが増えており,社会的にも広く認知されているスタイルです。
*②エレファント達
・・・このブログにもしばしば登場する言葉ですが,フランス社会党の伝統的な流れをくむ大物政治家達のこと。現役政治家ではストロス=カン,ファビウス,元首相のリヨネル・ジョスパンなど。この記事では前者2人のこと。
*③エナ(ENA)
・・・国立行政学院。フランスのエリート官僚養成のための高等教育機関。
*④ビズタージュ
・・・bizutage,英語ではhazing。古くから欧米の伝統校に伝わる独特の風習。 新入生を歓迎する ことが本来の趣旨であるが,しばしば暴力的,または嫌がらせに近い儀式を強いることもあり,フランスではセゴレーヌ・ロワイヤルの提案に基づき,刑法により禁止された。最高で禁固6ヶ月または7,500ユーロの罰金。

2 Comments

ちぇぶ  

同じ女性として応援したいけれど、本当に応援していいのか。。。記事読んでるとわからなくなりますねぇ。。。。

2007/04/19 (Thu) 11:54 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu*  

i-40 to: ちぇぶさん

ちぇぶさん,わたしも同感★

女性としては,母であり妻であり政治家として奮闘するセゴレーヌさんを
応援してあげたいけれど,
果たして大統領の器があるのか・・・うーん,複雑ですよねi-230

あ,でも
潜水艦の数を答えられなかったのは,大したことじゃない気が・・・。
そんなの,大統領になってから数えればいいんだしi-231

2007/04/20 (Fri) 00:58 | EDIT | REPLY |   

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