* 2007大統領候補プロファイルNO.3---フランソワ・バイル

さくさく3回目。・・・とすれば,やっぱり『 第三の男 』を自負するこのヒトの出番です。のほほんバイルさん,ジャーナリスト達に質問されても,妙~に間が空いたりして(かといって,答えが面白いわけでもなく・・・),思わずツッコミを入れたくなります(笑)。一見,激情家サルコジの対極にいるような見事な天然ぶり。そこがまた,有権者に好かれる理由のひとつなのでしょう。しかしそんな彼も,実はとても世渡り上手。フランス政界という大海で,しなやかに方向転換しながら泳いできたようです。 photo by © LEXPRESS.fr

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François BAYROU | Age:55 | 元教育相,国語教師 | フランス民主連合 | 中道右派
* L'EXPRESS紙
2007大統領選特集より

これまでの功績
フランス民主連合(UDF)(*訳注①)を,かつてのRPR(*訳注②)や現在の与党である国民運動連合(以下,UMP)から独立に導いた政治的戦略。1999年の欧州議会選挙では,フランス民主連合を単独の党として選挙候補党リストに申請し,10%の票を獲得している。時にはシラクやUMP内のリベラル派,一部の中道派(現外務大臣のフィリップ・ドゥスト=ブラジなど)と手を組むことも厭わず,フランス民主連合を与党,社会党に次ぐ3番目の政党に育て上げることに執念を燃やした。2004年の欧州議会選挙では,国内で12%の票を集めた。


これまでの失敗,失言
1993年,バラデュール内閣下での教育相時代,ファルー法(*訳注③)を改正( * 私立学校の財政を地方自治体に負担させることを提案)しようと試みた。しかし,100万人近くを動員した国を挙げての反対デモ行進に,内閣は譲歩せざるを得なかった。今回の大統領選では社会党が,バイルに共感を抱いている有権者に対し,この出来事を忘れぬよう警告している。


愛読書・・・聖書
『 私にとって最も大切な本は,もちろん聖書だ。なぜなら,聖書の中にこそ,エスプリの息吹が生まれるのだから。聖書は,西欧文明の思想と人類の観念の原型をなすものだ。』


尊敬する政治家・・・ガンジーとその西欧人の弟子ランザ・デル・ヴァスト。
バイルは”非暴力”,”エコロジカルな活動”,”スピリチュアルな覚醒”の支持者である。


フランス史の中で最も好きな時代・・・アンリ4世の時代,ナントの勅令(*訳注④)

バイルの趣味
フランソワ・バイルは生まれ故郷のボルデール地方で子馬を育成している。彼が育てたサラブレッドのうちの一頭は,”パリ・グランプリ”など数々の賞を受賞していることで有名である。

大統領選における戦略
善良なる中道派を自認するバイルは,彼を取り巻く二大政党の支持者を取り込もうとしている。まずは右派から---かつてバラデュール内閣とジュペ内閣の一員であったバイルは,サルコジの積極的な自由経済主義や,治安政策をことさらに強調する傾向,またはその強行な態度に恐れをなしている(サルコジの)支持者を自分のもとに引っ張り込もうとしている。そして左派では,セゴレーヌ・ロワイヤルのへまや失敗,一貫性のなさに苛立ちを感じている(ロワイヤルの)支持者たちを魅了しようと画策している。


世論調査における支持率・・・18,5~22%
フランソワ・バイルは本当に,2007年における第三の男なのか?あれほどもてはやされた『 セゴ VS.サルコ 』の構図に冷水を浴びせる男なのか?去る1月,世論調査でめざましい躍進を遂げ,突破口を開いたバイル。今,彼はあらゆるメディアの注目の的だ。しかし問題は,ジャン=マリ・ルペンとの対決だ。なぜならルペンの支持者は未知数であり,予測を立てるのが難しいからだ。2月初旬以来,世論調査ではバイルはロワイヤルに肉薄している。


バイルのイメージ
郷土を愛し,根っからのヨーロッパ人であるバイル。彼は,”政治的信条”という考え方を拒否することによって,右派と左派の対決から逃れようとしている。だが同時に,毅然とした態度を示すことで,”確固たる信念を持った人物”というイメージの定着を望んでいる。彼は2002年,郊外の遊説先で,彼のポケットから財布を盗み取ろうとした子供に平手打ちを喰らわせ,一躍有名になったのだ。2006年,バイルは反体制の候補者として名乗りを上げた。彼はとりわけ,TF1(* フランスの人気TV局)や有名メディアで,ロワイヤルとサルコジが優遇されていることに異議を唱えた。


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 キーワード & 訳注 
*①UDF(フランス民主連合 / Union pour la démocratie française)
・・・1978年,国会議員選挙の折りに当時の大統領ヴァレリー・ジスカール・デスタンの支持基盤として創設された。民主主義とカトリック的精神を基盤とし,中道派を自認するが,実際には創設経緯に鑑みても中道右派が妥当である。1993年の国会議員選挙では後述のRPR(現在の与党の前身)と共同戦線を張り,バラデュール内閣とジュペ内閣に大臣を輩出している。現在の党首はフランソワ・バイルだが,数日前にヴァレリー・ジスカール・デスタンは今回の大統領選において党首バイルではなくニコラ・サルコジ支持を表明,物議を醸しだしている。
*②RPR(Le Rassemblement Pour la République)
・・・共和国のための連合。現与党である国民運動連合(UMP)の前身となる政党。ゴリズム(ドゴール主義)を継承し,当時の大統領ヴァレリー・ジスカール・デスタンと対立したジャック・シラクにより,1976年に創設された。
*③ファルー法(Loi Falloux)
・・・1850年(!)に制定された(高等教育以外の)教育に関する法律。特にカトリック的教育の自由を保障する法として知られる。現在では廃止されたが,一部の条文は教育法に受け継がれている。
*④ナントの勅令
・・・世界史で習いましたね!(笑)---1598年,アンリ4世(アンリ公ナヴァル)は近代ヨーロッパで初めて,プロテスタント(ユグノー)などの新教徒にカトリックとほぼ同等の権利を認めた。これにより,フランス国内を二分した宗教戦争(ユグノー戦争)は終息した。---フランソワ・バイルはフランス史に造詣が深く(著書多数),自身は敬虔なカトリック信者。そんな彼らしい答えといえる。

4 Comments

ちぇぶ  

フランスの父ちゃん的な人なのでしょうか?^^
んーーーー3人方読ませてもらいましたが、、、結局誰が大統領になるのか。。。ますますわかりませ~ん!!!

写真かっこいいですねぇ(^^)

2007/04/19 (Thu) 11:58 | EDIT | REPLY |   

chezidane  

昨日のクローズアップ現代》で
エナ(たぶん)の先生が興味深いコメントを。

曰く「最後の最後まで、迷っている有権者が多いだろう。
投票所で、ようやく意志決定する人すらいるであろう」。

今回の難しい判断を迫られる選挙にとって
印象深いコメントでした。

選挙、もうすぐですね!
考えまくり?悩みまくり?^^
何らかの決断が生まれることを応援してます!




2007/04/19 (Thu) 16:18 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu*  

i-102 to: ちぇぶさん

ちぇぶさん,たくさん読んでくださって
ありがとうございます~i-189 お疲れさまです!

>フランスの父ちゃん的な人

・・・うまい!!(笑)
ほんと,そうかも!ざぶとん1枚~i-278

(・・・はっ。バイルのイメージ戦略にハメられてる!?i-282

2007/04/20 (Fri) 01:05 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu*  

i-40 to: chezidaneさん

わーこんばんは!

エナの先生がそんなことをおっしゃってたんですね~。
うーん,なるほど。。。

誰に投票するか決めかねている有権者が非常に多いのが
今回の大統領選の特徴だそうですけど,
まさか投票所に行くまで決められないとは!i-229

・・・ということは,フランス人が大好きな世論調査(笑)なんて,
大してあてにならない,ということかもしれませんね。

かくいうわたしも,お察しのとおり悩みまくり,です。
ただ,フランスはアメリカ社会のようにはなってほしくないなあ・・・
とだけは思います・・・i-227

2007/04/20 (Fri) 01:13 | EDIT | REPLY |   

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