* セシリア,権力より自由を愛した女性---サルコジ夫妻の離婚 【前編】

* images by © L'EXPRESS

Nicolas et Cécilia Sarkozy

このふたり,なんだかんだと言っても結局は離婚しないと思っていたのだけど・・・。だってセシリアは自由と同じくらい権力を愛していると思っていたから。まあ今にして思えば2年前,セシリアが当時恋人だった広告会社社長とNYに逃避行した時点で,夫サルコジとは二度と修復不可能だったのかもしれません・・・。
いずれにせよ,フランス大統領夫人の座を惜しげもなく捨て,しなやかに自分の人生を切り開くセシリアは,女性としてある意味,すごいと思います。・・・って,あれ?前回の続きはどこへ?まあ,今回のは思いっきり三面記事ですから!


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『 別離の時 / サルコジの黒い10月 (前編) 』
2007/10/18付
Le Nouvel Observateur | ル・ヌーヴェル・オプセルヴァトワール紙

"l'Heure des Ruptures / l'Octobre Noir de Sarkozy"

par Carole Barjon ( カロル・バルジョン著 )


”---すべてが順風満帆だった大統領の日々は終わった。政府の制度改革計画が国内に緊迫状態を引き起こしいる最中に(* 訳者注:現在フランスでは交通機関が全面ストライキ中),サルコジ大統領にとってさらなる打撃となったのは,彼のプライベート問題だった。愛情と野心,私生活と政治活動を常に混同してきた大統領夫妻が別離にいたるまでの軌跡を,メディアの視点からたどる---”

これで,すべてが終わった。家裁判事にひそかに提出された1枚の紙に記載された,2つの署名---。これが,20年にわたった夫妻の一卵双生児のような関係,そして政治的協力体制に終止符を打った。そしてそれは,フランス第五共和制下で前代未聞の事態だった。すべての(離婚)手続きが終わったとき,ニコラ・サルコジはフランス初の”離婚した”大統領となるのだ。たとえそれ(離婚)が現代社会の風潮であり,もはや決してめずらしくないこととは言え,サルコジが懸命に努力してきたのは確かだ。最後の最後まで,ニコラ・サルコジは不可能を可能にしようと試み,最終決断をできるかぎり先延ばししようとした。だが,その努力も徒労に終わった。それほど,妻セシリアの決意は固かったのだ。実際,すでに5月6日,その予兆を感じさせる出来事があった。なぜならセシリアが断固とした行動をとったのは,その日だったからだ。すなわち,大統領選の決戦投票日に,UMP(与党)公認の大統領候補の妻として投票に行かなかったことで,彼女は公衆の面前で,未来の共和国大統領となる夫に“ノン”を突きつけたのだ。そのとき彼女は,エリゼ宮(仏大統領府)での新しい生活を公然と拒否したのである。

その日(サルコジが大統領に選出された5月6日)の夜,コンコルド広場で公に姿を現した彼女は,我々の記憶にいまだ残っている。彼女は心ここにあらず,といった感じで,ぼんやりと立っていた。事実,彼女はそこにいるのだが,あたかもそこにいないかのように---。以来,短期間に彼女がしたことと言えば,まるで我々をけむに巻くような事ばかりだ。大統領の権限委譲式,6月にエリゼ宮で行われたいくつかの公式な会食,たった半日で切り上げたG8会合,革命記念日の式典,ブルガリア人看護婦らの解放劇---。しかも,たとえ彼女が姿を現した時でさえ,彼女は最低限の公務しか果たさなかった。また,革命記念日にエリゼ宮の正面玄関で行われた記念撮影の折,カメラマンたちは,サルコジが(スピーチで)くどくどと妻の美しさを褒めそやしたにも関わらず,セシリアがそんな夫におよそ無関心を装ったことを見逃さなかった。その日サルコジは急遽,記者たちとの非公式のブリーフィング(簡潔な説明会)を企画したが,セシリアは姿をくらましてしまった。それから2ヵ月後,ソフィアでは,解放されたブルガリア人看護婦たちがセシリアに伴われて帰国したが,セシリアはまたもや姿を消し,数時間にわたってひとりで泣き続けたという。

このエピソード以来,公衆の面前でセシリア・サルコジが大統領と寄り添う姿は二度と見られなくなった。8月には,扁桃腺を理由にブッシュ大統領夫妻の招待を断り,それ以降まったく音沙汰なしだった。だが,彼女は自分のイメージが悪くなることを承知していた。セシリアの一連の振る舞いは,確かにはじめの頃こそ,自由を愛し,型にはまらない彼女らしさの表れだとみなされていたが,今では,ずうずうしく無作法であると非難されるほどだ。フランス国民のエスプリからしてみれば---彼らは実際は非常に伝統を重んじる国民だ---,フランスのファーストレディは特権を享受すると同時に,義務も果たすべき存在なのである。セシリアはそれらのリスクを認識しており,二つの異なる人格を演じることがもはや不可能だと自覚していたからこそ,事を早めたのだ。

議会再開に伴い夫妻がエリゼ宮(仏大統領府)へ引越しするなど,もはや問題外だった。9月に入って,セシリアは公式ディナーも公式訪問も一切行わなかった。ブルガリアで10月4日に行われた式典で,セシリアは(ブルガリア人看護婦の解放劇を主導した)“ヒロイン”として出席が待たれていたにも関わらず欠席した。以来,フランス大統領夫妻の不和と離婚の危機がささやかれはじめた。月曜日の朝,エリゼ宮広報官のダヴィッド・マルティノン氏が,来週予定されているサルコジ大統領のモロッコ公式訪問に夫人が同伴しないと発表した。その時,夫妻の別離が近いことが“事実”として認識されたのだった。ニコラ・サルコジはモロッコ王モハメッドVI 世に“独身の”大統領としてもてなされることになるだろう。ちなみにエリゼ宮は,『 大統領が外国を公式訪問する際に夫人を同伴することは“習慣”に過ぎず,夫人が不在でも儀礼上何の問題も生じない 』と主張しているが---。
( → 【 後編 】につづく。)

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ちなみに,今回の正式な離婚発表でいちばんホっとした人物といえば・・・エリゼ宮広報官マルティノンさん!
エリゼ宮の定例会見で(離婚の真偽につき)毎回繰り広げられた,マルティノンVS.ジャーナリストたちの息詰まる(ウソ)攻防戦,ほんと笑えました~。報道陣もすごーくまじめな顔して,哀れなマルティノンをいじって遊んでたし。マルティノンさん,セシリアの庇護がなくなっても更迭されないようにね!

12 Comments

Denny Johpp  

ついにねぇ・・・。離婚しましたねぇ。
サルコジさんもキレたんでしょうか。
でも、セシリアさんをしっかり見てあげなきゃぁ、と思います。
彼女が悪くはないんだろうと、なぜか同情しています。

2007/10/24 (Wed) 08:05 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu*  

i-77 to : Dennyさん

> 彼女が悪くはないんだろうと、なぜか同情しています。

Dennyさんはお優しいんですね!

わたしは,双方とも,結婚という事実から可能な限りの利益を引き出した上での
離婚だと思っているので,
どちらにも全く同情していません・・・(^-^;;)

ただ,フランスで“最高の権力を持つ男“を見限ったセシリアの意思の強さは
うらやましいほどですし,
政治家を,その私生活に関する話題とは関係なしに
政策(と成果)で判断できるフランス国民は,
ある意味成熟していると思います。

2007/10/27 (Sat) 23:26 | EDIT | REPLY |   

Denny Johpp  

>フランスで“最高の権力を持つ男“を見限ったセシリアの意思の強さはうらやましいほどですし,
政治家を,その私生活に関する話題とは関係なしに,
政策(と成果)で判断できるフランス国民は,
ある意味成熟していると思います。

だこーです。
ストありの姿勢を示す労組とどこまでストレートにやりあえるか
を注目しています。
・・・パリマッチでセシリアさんの記事読みましたが、確かに
たたずまいは違いますね。ELLE読んでみます。

2007/10/29 (Mon) 09:26 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu*  

i-77 to : Dennyさん

フランスの労働組合の連帯感は
他国では類を見ないほどですものね。

11月はすでに2回,大規模なストライキが予定されています。
サルコジさんの出方に注目したいですね。

2007/11/02 (Fri) 21:54 | EDIT | REPLY |   

Denny Johpp  

ELLEを読みつつ、すべてを一身に受けて改革しようとする
サルコジさんはどうなるかな、と思います。
小沢さんが何かを「つきつけられて」代表辞任したのと
比較していしまいます。
決して支持とはいえませんが、「敵ながら」注目しています。
・・・でもマイクを投げるのはねぇ<サルコジさん

2007/11/05 (Mon) 15:20 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu*  

i-77 to : Dennyさん

今回の騒動は,小沢さんの完全なる利敵行為だったと思います。
これじゃあ寝業師どころか,福田さんの方が一枚も二枚も上手だし・・・。

第一,国会が始まっているのに,第一野党の代表と首相が密談だなんて,
国民に対する背信行為ではないでしょうか・・・i-230

2007/11/07 (Wed) 01:12 | EDIT | REPLY |   

Denny Johpp  

困ったものです<密談
ただ、雨降って地固まった民主党という見方もあるので
要注意です。

2007/11/12 (Mon) 08:18 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu*  

i-77 to : Dennyさん

> 雨降って地固まった民主党

いや~・・・どうでしょうね??(笑)
確か鳩山さんか菅さんあたりがおっしゃってたような。

わたしは,
時限爆弾のような小沢さんを慰留したことで,
民主党は自滅しかねないかも,なんて思ったり。
小沢さんも福田さんも,まだ大連立を諦めたわけじゃないと思いますしi-277

2007/11/14 (Wed) 22:27 | EDIT | REPLY |   

Denn Johpp  

小沢さんも福田さんも,まだ大連立を諦めたわけじゃないと思いますし
・・・そうでしょうね、特に福田さんは。
でも「平松市長」になって、自民はやりにくいでしょうね。
(平松アナのころ、時々MBSニュース見ていました。NHKアナ
みたいと思いましたが)

2007/11/19 (Mon) 08:55 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu*  

i-77 to : Dennyさん

平松さんって,関西では有名な方みたいですね。。。

わたしは全然知らなくて,
テレビでお見かけしたこともなかったのですけど。
(日本にいなかったせいもあるのでしょうけれど・・・)
結局,小沢ショックは市長選には影響しなかったみたいですね。

府知事選もどうなるんでしょう?

2007/11/23 (Fri) 02:01 | EDIT | REPLY |   

DennyJohpp  

現知事へたうったなぁ、と思います<府知事選

PS C2合格おめでとうございます!!!

2007/12/18 (Tue) 09:06 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu*  

i-77 to : Dennyさん

Dennyさん,こんばんは。

> 現知事へたうったなぁ、と思います<府知事選
ほんと,彼女,思わぬところで足をすくわれましたね・・・。
府知事選,あのヒト以外なら・・・って思いますi-277

> PS C2合格おめでとうございます!!!
ありがとうございます~。
まぐれ以外の何モノでもないのですけれど,
これですこしは自信をもって訳を紹介できたらいいなあ,と思います(^-^*)

2007/12/20 (Thu) 22:33 | EDIT | REPLY |   

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