* サルコジ大統領,中国外交の誤算と矛盾

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なかよし。

サルコジさんはずいぶんと中国が”お気に入り”のよう。今やフランスの”お得意様”状態にあ
る中国をちやほやする商売上手なサルコジさんですが,どうやら当の中国は剛腕のフレンチ
セールスマンより一枚上手(うわて)だったようです。

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「張り子の虎(*注①)」  2008/07/10 | Le Monde | Éditorial |
"Tigre de papier"  ル・モンド紙  |  社説 | (*)は訳者による注釈

ニコラ・サルコジは中国外交を見誤った。どう転んでも損をするリスクを抱えている。

今年3月,ラサ地区(チベット)で起きた暴動を中国政府が弾圧したことに対し,欧州の各首脳が
遺憾の意を表明する中,サルコジ大統領は沈黙を貫き通した。そのだんまりを忘れさせようとするか
のように,今度は北京オリンピックの開会式をボイコットするとほのめかし始めた。ところがG8環境サミ
ットのさなか,彼は8月8日の北京オリンピックの大祭典へ出席を表明したのだ。すなわち,”フランス
大統領は中国国民の要求に屈服した”という印象を,中国国民に与えたのである。

サルコジ氏はこの決断を正当化するため,”中国政府とダライ・ラマの間に対話の機会が再びもたれ
たことを評価した”と説明する。ところが実際は,チベットの精神的指導者と中国政府の責任者の間
で行われた会談は一方通行に終わり,行き詰まりの状態にあることが我々の知るところとなった。な
らば,強者に立ち向かう弱者びいきのフランス国民,すなわち中国当局と戦うダライ・ラマを支持する
傾向にあるフランス国民は,なおさら納得しないだろう。

フランスの国家元首(*サルコジ)は,中国国民に対しても敗者である。彼らは機を逃さず,フランスの
優柔不断や一貫性のなさに付け込んだ。中国政府の上層部は今や,フランス側からの脅しは虚勢
に過ぎないと,フランスを”張り子の虎”(*注①)呼ばわりしている。在仏中国大使は,「もしニコラ・サル
コジがダライ・ラマに面会したいなどと言い出すならば,フランスは特に経済・商業分野で”深刻な影
響”をこうむるであろう」と,フランス政府に対し脅迫めいた発言をし,ベルナール・クシュネル(*外務
大臣)から呼び出しを受けた。実際,大使の発言は中国側の心境を如実に反映しているのだ。

いずれにせよ,もしフランス共和国大統領が”自分のおかげで,中国と亡命中のチベット政府トップと
の関係においてフランスが影響力を強められるかもしれない”などと考えているならば,お人よしもいい
ところだ。中国政府にとって,チベットにおける中国の正当性はきわめて重大な問題であるからこそ,
この問題に対する外部からの圧力をそのつど徹底的に排除してきたのだ。しかし,だからと言って,国
際社会がチベット抑圧を告発することを断念せねばならないわけではない。むしろ,その逆だ。だから
こそ,フランスがその手腕を発揮し,中国側から尊敬の念を勝ち取るためには,しっかりした論拠をも
って首尾一貫した態度で臨まなければならないのだ。サルコジ氏には,この2つの美点が欠けている
のである。【完】
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キーワード & 訳注

*① 張り子の虎

「結局フランス政府は虚勢を張って強がっているだけ」,とする中国側からの揶揄。

2 Comments

EXLIBRIS  

個人的には中国は迂闊にコミットしないほうがいいと思ってます。
アメリカかロシアぐらいでしょう、イーブンにやりとりできるのは

2008/11/19 (Wed) 08:47 | EDIT | REPLY |   

bébépiupiu*  

i-77 to : EXLIBRISさん

そうですね。

中国との外交の難しさといえば,
数週間前,サルコジさんがダライラマ氏と会見し,
国会で演説の場を与えた事で
中国政府が猛反発していましたね・・・。

2008/12/23 (Tue) 23:56 | EDIT | REPLY |   

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