* 【ルモンド社説】 ル・モンド紙から見た民主党新政権


ル・モンド紙の邦訳,すっかりご無沙汰してしまいました。ル・モンドが31日付の社説で,フランスサイドから見た日本の新政権を論じています。さて,この視点を,ナイーブ(英仏本来の意味での)と見るか,それとも外国メディアならではのドライで客観的,あるいは斬新な視点と見るか?

*   *   *   *   *   *   *   *    *   *   *   *   *   *   *   *



"Japon, an 01"  2009/08/31 | Éditorial | Le Monde |
「 日本,01年 」 | ル・モンド紙  | 社説 |


日本国民は変化を選択した。半世紀以上にわたる保守派,自由民主党(PLD)による政権独占とその分派の反乱を経て,8月30日の衆議院議員総選挙における民主党(中立左派)の圧勝は,歴史的だった。民主党の勝利は,日本の根本からの変化と捉えることができよう。

自民党大敗の動揺を受け,同党の分裂がささやかれる今,与党を経験したことのない民主党による政治は,安定を常とする日本に一種の政治的混乱をもたらす恐れがある。そして,民主党は投資と輸出産業ではなく,内需拡大による経済の建て直しと社会福祉の整備を優先課題とすることで,1960年代に世界を圧巻した”ジャパニーズ・ファクトリー”モデルを覆すことになるだろう。

8月30日の衆院選挙は,自民党に対する国民投票と化した。すなわち,日本国民は自民党の政策にとどまらず,同党による政治権力の行使と経済的・社会的ロジックを否決したのである。民主党は,最も重要な政策目標に国民の生活向上を掲げることで,従来の優先順位を覆した。だが,政敵たちは,「民主党の”ロビン・クルーソー的”な政策は日本の産業競争力を失速させ,国家財政を不安定にする」と指摘する。

1990年代初頭のバブル投機崩壊以降,日本社会は不安定になった。かつての雇用機会の(相対的)均等,給与格差の縮小,(ほぼ)完全雇用制度,そして経済成長がもたらす利益の分配による生活レベルの向上は,今や不平等,不安定な雇用形態,年金制度の(ほぼ)崩壊,そして貧困の増加に取って代わられた。今回の選挙の背景には,これほど深刻な社会的不安があったのだ。

民主党の掲げる政策は大胆だ。すなわち,民主党は社会福祉を重視し,スカンジナビア諸国の”民主主義的キャピタリズム”の列に加わろうとしている。だが,民主党は,日本が受け継いできた社会文化的背景を考慮し,「ネオリベラリズムと福祉国家」という二者択一の選択を超越した経済成長の方法を見出さなくてはならない。言い換えるならば,民主党は,1960-1980年代の日本の経済発展の原因となったモデルを再び作り出さなければならないのだ。日本国民は過去との決別を選択した。そしてそれは,健全なカタルシス効果となって表れるだろう。残るは,民主党が日本国民の期待に応えるレベルに到達できるかである。(終)
( 拙訳 : bébépiupiu )

0 Comments

Leave a comment