【ルモンド社説】フランスの不安---フランス地方選 第二回投票


image by © Le Monde

大変遅くなってしまいましたが、前回の完結編となる、フランス地方選最終結果(第2回投票)についてのル・モンド紙の社説です。今回は時間がなくほぼ直訳のため、かなり読みづらいと思います。すみません・・・。ちなみにわたしはサルコジさんは個人的に好きではないのですが、政治家としては有能かつ稀有な人物だと思っています。そんな彼が率いるフランスに対してル・モンドがここまで悲観的な社説を書くのであれば、今の迷走する日本は一体どうすればいいのか、と思わざるを得ません。


"La France inquiète, par Eric Fottorino"(原文)  2010/03/22 | Éditorial | Le Monde |
「 フランスは不安に駆られている(エリック・フォトリノ著) 」 | ル・モンド紙  | 社説 | (*)は訳者による注釈  

地方選挙第2回投票の翌日、政界の勢力図は明確なものとなった。いかなる者も---与党に所属しようが野党に所属しようが---、昨夜、現実が突き付けた現状を避けて通ることはできなかった。UMP(与党)側は、第一回投票時と変わらない結果をもはや否定しようがない。つまり、大統領陣営は敗北を喫したのである。そして左派連立あるいは左派連帯は確かに勝利したが、だからといって彼らが勝利を満喫している印象はない。なぜならそれは、有権者は投票という審判を通じて、責任と要求、課題と義務をより強く求めているに他ならないからである。左派は勝利したとはいえ、フランス国民はラ・ヴィ・アン・ローズ(バラ色の人生)(注*) 、あるいはグリーンの生活(注*)を夢見るには程遠いのだ。

我々の国は、何かが壊れてしまった。心の底の精神的な原動力がそれぞれを不幸にしているのだ。2010年のフランスは、「アンナ・カレーニナ」的である。すなわち、幸せな家族はみな似たようなものだが、不幸な家族の形はそれぞれに異なる、ということだ。“フランスが抱える病気”とは、たとえば「棄権」という名の国民的故障に代表される症状に苦しむ「フランスの不幸」である。

投票を棄権するということは、生活の改善や人生の変革をもたらす政治的可能性を信じないということだ。この根本的な悲観主義は新しいものではない。しかし、今やそれは2007年、”すべての国民の生活を改善できるのは自分ひとりだ”と豪語した一人の大統領が選出されたときに生じた悲観主義よりもさらに深刻であり、まるで裏切られた恋のように苦しいものだ。

これらの約束はあまりにも迷走し、幻滅は想像の域を超えてしまった。フランス共和国の行政監視委員であるジャン=ポール・ドゥルヴォワ氏は先日、ル・モンド紙のインタビューの中で、「精神的な疲弊状態にあるフランス社会」と述べている。ヒステリーの発作を起こしかねない状態に追い詰められ、共通の未来に挑む力を失ったフランスは、自分たちの痛みの処方箋を国家あるいは政治に見いだすことができず、(*社会や国家という)集団から離れ、ばらばらになっていく苦しみを味わっている。長く続く失業、失業手当を受ける権利を失う人々の急増、困窮した生活にあえぐ1500万人もの人々、そして50ユーロあるいは150ユーロで月末をしのがなければならない人々---。一方で、昨日の土曜日、ジャック・アタリ氏は本紙で、いまだに我々の国の潜在的な産業能力、多くの分野におけるフランスのリーダー的地位、そしてフランスの自虐的な傾向について強調している。

だが、たとえ国民前線(*極右政党)の新たな台頭が、現大統領の積極介入主義に魅了された庶民階級の失望の現れであるとしても、このような態度の責任を、与党であるサルコジズムの失敗のみに帰することはできない。フランス国民を麻痺させているこの自暴自棄の理由を、もっと深いところに追求すべきであるのは明らかだ。TNS Sofres(テーエヌエス・ソフレス)(Sueil出版)の年間調査の冒頭で、ブリス・タンチュリエ氏が「フランス国民と国内幸福値」と題して、ヨーロッパの他のどの国よりも、フランスの地位の低下が憂慮されていることを喚起した。この悲観主義の極地が“ほとんどが解明されておらず、その深刻さゆえに大部分が謎めいている”からこそ、日曜日の選挙で勝利を収めた左派が、なぜ勝利したように見えないのか分かろうというものだ。(終) 
( 拙訳 : bébépiupiu )
 

*   *   *   *   *   *   *   *


 キーワード & 訳注 
■バラ色の生活とグリーンの生活・・・
「バラ色」は、今回の選挙で大勝したフランス社会党(左派)のシンボルがバラの花であることから。また、「グリーンの生活」は、今回の左派の勝利の大きく貢献した環境保護推進の「緑の党」から。

0 Comments

Leave a comment