*ベタンクール=ヴルト事件(2) 【ルモンド紙】 事件にサルコジ氏は関与しているか?


ベタンクール夫人
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”Pour la presse internationale, Sarkozy est "comme Nixon pendant le Watergate"”(原文)
  2010/06/04 | Éditorial | Le Monde |
  「 海外メディア、サルコジを”まるでウォーターゲート事件のニクソン大統領”
  と報じる 」 | ル・モンド紙  | 社説 | (*)は訳者による注釈  

ヴルト=ベタンクール事件にフランス国家元首(*サルコジ)の関与が疑われるにつれて、海外メディアの反響が高まっている。“The Independent”(英日刊紙)は、エリック・ヴルト(雇用大臣)、ベタンクール夫人のフォトグラファー、フランソワ=マリ・バニエ氏に対する贈与、予算大臣夫人が億万長者夫人(*ベタンクール夫人)の側近として雇用されていた事実などを脇に押しやり、「ベタンクール家の騒動は終焉の兆しを見せるどころか、サルコジ大統領をも巻き込む恐れが出てきた」と報じた。

「2007年の大統領選においてニコラ・サルコジ率いる与党は、ロレアルの大富豪相続人から15万ユーロを不正に受け取った疑いがある」と“El Pais”が報じる一方、“Vanity Fair”(米雑誌)はweb版のトップページで、「サルコジはベタンクール事件から生き残れるか」と題した長文の記事を掲載した。“Vanity Fair”によると、「この騒動はカマンベールよりも臭う」のだそうだ。記事の著者は、この騒動の複雑さを認めつつ、「ここまで読み進んだ読者の根気強さに敬意を表したい」とした上で、「フランスの世論はフランス政治家のセクシャルライフにほとんど無関心であり、フランスの政治スキャンダルが我がアメリカのそれよりも複雑なのは、それ故であるのは間違いない」と説明している。

“愛、金、裏切り”
「スイスの銀行口座、セイシェルに所有する島、87歳の億万長者夫人が相続人たる実の娘と今や一切口をきかないこと、贈り物の山に埋もれて窒息しそうになっているフォトグラファー、執事がスパイだったこと、スキャンダル真っ只中にいる大臣---愛、金、裏切り、政治、裁判---息もつかせないテレビドラマの要素がすべてそろった中で、それでもフランスとニコラ・サルコジはうまく切り抜けたようだ」と、“若きアフリカ”の社説の中で、Marwane Ben Yahmedは皮肉った。中国当局の通信社“Xinhua”は、「騒動がここまで深刻になった今、それが事実だろうが嘘だろうが、フランス政府の顔に泥を塗ることになるだろう---と言っても、すでにフランス政府は十分に具合が悪いようだが」と報じた。

その結果、「サルコジは“公的にコメントすることを断固拒否”しながらも、この騒動に言及せざるを得なくなった」として、“Le Guardian”は、火曜日に大統領がブリ・コント・ロベール(セーヌ・エ・マルヌ県)を訪問した時の発言を掲載した。他の多くの新聞社も“Le Guardian”に倣い、大統領がフランス国民に、今回のスキャンダルに無駄な時間を費やすのではなく、もっと重要な課題に集中すべき、と厳命した発言を引用した。「嫌疑を否認したにも関わらず、論争は鎮火する気配さえ見せない」とイギリスの日刊紙(*“Le Guardian”)は報じ、国家元首(*サルコジ)の支持率が26%に落ち込んだことを喚起した。

“ウォーターゲート事件”
“New Zealant Herald”は、フランス大統領にとってこのスキャンダルは“悲劇”に代わろうとしている、と予測している。“Le Soir”によると、論争はすでに「国家スキャンダルに進展し」、サルコジに今や「選択の余地はほとんどなく」、これ以上傷口を広げたくない大統領としては、遅かれ早かれ労働相を切り捨てなければならないだろう、とのことだ。“Le Libre Belgique”によると、右派(*与党)は「事件の重大な問題に答えることなく」、「極右政党のまねごとをしている、と野党を糾弾」し、メディアの報道を「ファシズム的手法」呼ばわりした。

さて、サルコジは生き残ることができるだろうか。“Vanity Fair”で疑問を呈したジュリアン・サントン氏の答えは悲観的であり、フランスのメディアが考えもつかないような大胆な比較を持ち出した。「ウォーターゲート事件のニクソン大統領のように、サルコジはじわじわと苦しめられながら破滅するやもしれない。しかし、彼は事態を過小評価しようとしている。そしてウォーターゲート事件がそうであったように、最高権力を有する政治家たちは彼ら自身がスキャンダルの真っただ中にいるにも関らず、側近の同僚たちを船外に投げ捨てる一方で、自分たちは自らのポストに居座っていた。そして私は、ウォーターゲート事件の時のように、新事実が次々と明らかになると推測している」

事実は一体どこまで明らかにされるのであろうか。

ジョナタン・パリアンテ著(終) 
( 拙訳 : 管理人 )
 

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