再開に代えて


エヴァ・ジョリー欧州議員

大変ご無沙汰してしまいました。

3月11日を境に、日本は大きく変わってしまいました。
ありふれたお見舞いの言葉しか言えない自分が恥ずかしく、
どんな言葉も意味のない空虚なものになってしまう気がします。

せめて、ここに時々遊びに来てくださっていた数少ないみなさまは、
ご自身、ご家族、お知り合いともに
ご無事であったことを心から願っています。

フランスのニュースでは、”la fin du monde”(この世の終わり)と例えられた
未曾有の大惨事ですが、
国民が力をあわせて、この悲しみをいつか乗り超える日がくることを
強く願わずにはいられません。

わたしは心の小さい人間なので、
大地震と原発事故後、被災地でもない東京を去った多くのフランス人を
素直に見送ることができませんでした。
彼らがいつか復興した日本に戻ってくるとしても、
自分がその時感じた痛みを忘れられないかもしれません。

ただ、フランスのメディアが流している日本の現状は、
日本のそれ以上に、過酷で、恐ろしいものです。
遠くの国の出来事であり、自国民のパニックを恐れる心配がない故の
残酷で客観的な報道なのかもしれません。

私事ですが、今年初めに職場で長期の海外赴任の話をいただき、
いったんは受けてしまったのですが、
その後さんざん悩んだ結果、辞退しました。
今後、職場での自分の立場が悪くなるだろうという懸念はありますが、
わたしのいるべき場所は、必死に立ち上がろうとしているこの日本だと、
今は確信しています。

ブログを長い間お休みしている間も見守ってくださった方々、
あたたかいメッセージをくださったnaratokoさま、有理さま、拍手をくださったみなさま、
本当にありがとうございます。
不安だったわたしの心の支えになり、どんなに励まされたことでしょう。
心からお礼申し上げます。

今日から再開しますので、
またどうぞよろしくお願いします。


さて、フランスはすっかり夏のバカンスシーズンです。サルコジ大統領も渦中のエリック・ヴルト雇用相もバカンスに出かけ、フランスでは政界も産業界も(ルモンド紙の社説も!)何もかもがしばらくは停滞中。折しも、リベラシオン紙が新たなスキャンダルを暴露したばかりです。(ヴルト雇用相が予算相だった当時、フランスの彫刻家セザール(・バルダッチーニ)の巨額の財産相続に関し、230もの芸術品の申告漏れが指摘されたにも関わらず、与党にかねてから資金援助をしているカルティエ財団会長の頼みにより、ヴルトが意図的にお蔵入りにしたのではないかという疑惑) そんな中、今回ご紹介するのは、元予審判事、エヴァ・ジョリー欧州議員のインタビュー記事です。この方、権力を全く恐れない歯に衣着せぬ物言いで、個人的にはかなり好きです。なかなかの苦労人だそうですが、予審判事となってからはElf(エルフ)事件や台湾フリゲート艦事件を担当したりと華々しく活躍し、現在は次期大統領選にも出馬の意向のようです。


”Philippe Courroye souffre comme Nicolas Sarkozy du syndrome de la toute puissance”(原文)
  2010/07/15 | Article 「 フィリップ・クロワ検事は、サルコジと同様に、あらゆる権力という名のシンドロームを抱えている」 | ル・モンド紙  | 記事 
  (*)は訳者による注釈  

ルモンド紙のインタビューにおいて、元判事・現欧州議員(欧州エコロジー党)エヴァ・ジョリー女史は、ヴルト=ベタンクール事件に関して複数の捜査を指揮しているナンテール大審院裁判所の
フィリップ・クロワ検事について、「権力の意のままに動く検事だ」と糾弾した。

ジョリー議員によると、クロワ検事正は「不適切な手続きにより、業務を遂行して」おり、「彼は、パトリス・ドゥ・メストル宅を強制捜査する際、ドアの前に立って、“あなたのお宅を家宅捜査させて頂きたいのですが、許可をいただけますでしょうか?”とお伺いを立ててから着手するタイプだ。そんなやり方では、エルフ事件でも大した証拠を収集できなかっただろう。ペルベン法の施行以来、検察官が家宅捜査を実施するには、拘留許可を付与する権限を持つ裁判官の承認を得る必要がある。クロワ検事はその義務を放棄しており、証拠隠滅の片棒を担いでいると言われても仕方ないだろう。予審判事こそが、船上で舵を取る唯一の人物である」

そして、ジョリー議員はクロワ検事正をさらに批判した。「彼は目を覚ますべきだ。彼の居場所は、もはやシラク時代の居心地のよい椅子ではないのだ。今やクロワ検事はあまりにも慢心し、うぬぼれている。どうやら彼は、ニコラ・サルコジと同じく、あらゆる権利欲と免責権という名のシンドロームに取り付かれているようだ。クロワ氏自身が、事件の利害関係の真っ只中にいるのだから(*注)、なおさらだ」
ジョリー議員によると、「海外のオブザーバーたちは驚愕しており、今回のスキャンダルを ウォーターゲート事件になぞらえるほどだ」という。(終) 
( 拙訳 : 管理人 )


*注 : ロレアル社相続人のベタンクール未亡人宅で秘密裏に録音された会話記録の中で、クロワ検事自身の名前が挙がっているというもの。

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