* 元IMFトップDSKの釈明を検証

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元IMF専務理事であり、フランス最大野党である社会党(PS)の中で最も次期大統領に近いといわれたDSK(デー・エス・カー)こと、ドミニク・ストロス=カン。ソフィテルでのスキャンダルで失脚後、民法テレビ局TF1の20時のニュース番組で帰国後初めて、キャスター(クレール・シャザル)の質問に答えました。ソフィテル事件を担当したN.Y.検察局のサイラス・ヴァンス・ジュニア検事の報告書のコピーをひらひらと見せながら、その報告書を盾に自論を展開したDSK。さっそく、国営テレビ局France5の時事情報番組” C dans l'air ”が、DSKの発言の真偽を検証をしていたので、見てみましょう。(ちなみにDSKは、復帰第一弾のインタビューの舞台として、社会党の政治家であれば国営テレビ局のFrance2の20時のニュース番組を選びそうな気もしますが、それでもTF1を選んだのは、奥様が元TF1の人気キャスターだっただけではない何かがありそうです・・・)

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DSK:「ソフィテルのスイートルームで起こったことは、暴力も、強制も、攻撃も伴っていない。それは私が言ったのではなく、N.Y.の検事が(報告書の中で)言ったのだ」
  検察官はそうは言っていない 
以下、検察官の報告書より
「特に身体的、科学的証拠により、被告が原告と性急な性的関係を持ったことが証明された。しかし、それをもってして、”強制的に、合意なく行為がなされた”とする原告の主張を裏付けることにはならない

DSK:「検事は、大掛かりな捜査の結果、こう報告書に記している。”原告は、全てにおいて虚偽の証言をしている。彼女の過去だけでなく、実際に(ソフィテルのスイートルームで)起こったことについても”、と」
  
検察官によると、原告は、スイートルームを出た後の行動について、数回にわたり証言を変えているが、ソフィテルのスイートで起こった事に対する証言は一貫している。

DSK:「私がこれ以上告訴されなかったのは、原告のいかなる訴えも立証されなかったからだ。従って、自分の役割をよく理解している検察官は、”もはや物的証拠も信頼に足る証言もないのであるから、告訴を断念する”と言ったのだ」
  
検察官の報告書は、DSKが無実であるとは言っておらず、含みを持たせたものである。(以下、報告書より)
「原告の度重なる嘘により、原告とドミニク・ストロス=カンとの間に起こった事実がいかなるものであろうとも、合理的に推測される事実以上のことを、原告の主張に認めることはできない」

DSK : 「(今回のスキャンダルで失脚しなければ)私は社会党から次期フランス大統領公認候補として出馬したかった。(~中略~キャスターの「(社会党書記の)マルティーヌ・オブリと協定(*)を交わしたようですが?」という質問に対し) 確かにマルティーヌ・オブリとは協定を交わした」
* 社会党内の大統領候補の選出にあたり、DSKとオブリ書記は、人気の高いいずれかが党内選挙に立候補し、立候補しないもう一方は他方を支援する、という協定を結んだと言われる。なお、社会党のピエール・モスコヴィッチ氏は協定が話し合われた場所にいたが、その協定を断っている。DKSはスキャンダル直前までは、フランスの世論調査で次期大統領候補として最も人気の高い政治家だったため、スキャンダルがなければ、この協定により、当時、オブリ書記より人気の高かったDSKが党内選挙に立候補し、圧倒的多数をもって党公認の大統領候補に選出された後、2012年に現大統領サルコジ氏と一騎打ちの戦いとなるはずであった。

   事実
DSKのこの回答は、現在、党内選挙に当然のように立候補しているマルティーヌ・オブリが、実はDSKの代替候補に過ぎないと証言していることになり、オブリ書記を窮地に立たせることになりかねない。DSKはこの発言により、彼女に「死の接吻」を贈ったと言われる。それが意図的であったのか、あるいはキャスターの誘導尋問にひっかかった失言であったのか、その真意は定かではない。
以上

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