【ルモンド記事】レアメタル戦争とコンゴ民主共和国

仏紙ルモンドが、レアメタルの獲得戦争に巻き込まれているコンゴ民主共和国(DRC)の実情を訴えた優れたドキュメンタリー番組(3月15日放映済)を紹介しています。番組では、世界第二次大戦以降、もっとも多くの死者を出した戦争はDRC東部州で勃発した鉱物資源紛争であり、1分ごとにレイプが発生していると告発しています。フランス語がお分かりになる方は、以下から直接動画(前半は仏領ギアナ、54:00からDRC)を、そうでない方はよろしければ以下の拙訳からでも、概要をご理解いただけるかと思います。




”« Congo : la guerre des minerais », le récit d’un désastre”(原文)
2016/12/22 | Le Monde Afrique | Pierre Lepidi | Le Monde
「コンゴ民主共和国、鉱物戦争」 | ル・モンド紙  

ルモンド紙がお薦めする今夜の番組は、IT産業に必要な鉱物資源を支配するために、非常に暴力的な武装集団が人々を殺す実情を告発した衝撃的なドキュメンタリーである。

コンゴのことわざが、この国の数世紀にわたる状況を要約している。「2頭のゾウが戦うと、草が苦しむ」。旧ザイール、すなわちコンゴ民主共和国(以下DRC)はアフリカで2番目に大きな国であり、地下に眠る莫大な鉱物資源のおかげでアフリカ大陸で最も豊かな国のひとつであるはずだった。しかし、7千万人の人口に対して45億ユーロ前後の国家予算があるにもかかわらず、この国は何十年も前から国連の人間開発ランクの最下位集団にとどまっている。マイク・ラムスデルの「コンゴ:鉱石戦争」は、この破綻状況の理由に迫っている。3月15日、「France Ô」で放映される優れたルポルタージュの中で、国内で最も豊かな州であるキブの住民が「わたしの人生は苦しみしかない」と語っている。DRCでは、戦うゾウの下にある草は、国民なのである。

DRC国連人権合同事務所(UNJHRO)の報告によると、コンゴでは2015年から2016年の間に、人権侵害が30%近く増加している。数ヶ月前から、国の中央に位置するカサイ州は、深刻な暴力の餌食になっている。最近では死体の山が3箇所で発見され、治安部隊は2016年9月と12月に100人近くを殺害している。「戦うゾウ」とは、一体誰なのだろうか?

権力闘争

その答えを探るべく、ドキュメンタリーはDRCがベルギー植民地であった時代にさかのぼる。ドキュメンタリーは、ジョゼフ・コンラッドが「闇の奥」(ガリマール出版、1899)ですでに、「ベルギー王レオポルドに象牙とゴムを供給するがために、コンゴ人を奴隷の身分に縛り続けたことに強い嫌悪感を覚える」と語っていたことに注目する。そして、コンゴの独立にあたり、西欧人がいかに「自分たちの資源」とみなしていたものを手放すことを拒み、さらに悪いことに、DRCをソビエト連邦の手に委ねたことを告発している。「西側諸国はモブツに権力を与え、モブツは自分の利益になり得るもの全てを盗み、自分の国のためには一切投資しなかった」と、ブルームバーグ社のマイケル・カヴァナ(Michael Kavanagh)氏は語る。独裁者となったモブツ大統領は、自国の民が飢え死にしている間に、30億ユーロに相当する帝国を作り上げた。

また、番組はこの暗い歴史に舞台裏から参加した人物にインタビューしている。1990年代終わりに国連大使を務めたアメリカ人ビル・リチャードソン氏だ。元大使は、アメリカがローラン=デジレ・カビラ率いるコンゴ・ザイール解放民主勢力連合 (AFDL) を秘密裏に支援するために、いかに盗人モブツ体制を切り捨てたかを語った。

コンゴでは、土を掘れば銀が出てくる。南東に位置するカタンガ州の地下に眠る鉱物資源は、コバルトの世界埋蔵量の80%と、世界有数の銅の開発を誇る。それに、東部のキブ州の鉱山の底で採掘される携帯電話の製造に必要なコンポーネント(タングステン、錫石、タンタルなど)をあわせれば、この国にはエレクトロニクス産業の国際企業のすべての需要を満たすだけの鉱物があるのだ。

慢性的な不正行為に蝕まれたキブ州は現在、携帯電話メーカーへの供給を満たすために人々を殺害・レイプする極めて暴力的な武装勢力の支配下にある。ドキュメンタリーは、コンゴ鉱物資源開発の透明性を要求する嘆願書(standwithcongo.org)を支援している。1996年以来、コンゴ民主共和国における紛争は500万人の犠牲者を出している。
(終)

0 Comments

Leave a comment