*ル・モンド社説 -幻想から混沌へ-(前半) : イスラエル=レバノン紛争③


今日はルモンドの社主,ジャン=マリ・コロンバニ氏による社説です。このヒトが書くと長いんですけど・・・。
いつもの社説の3倍の量だし。まあ,ルモンド王国の王様ですし。
今までのヒズボラ=イスラエル紛争をとりまく各国の思惑も含めて,
彼の大局的分析と考察は,さすがに読み応えがありました。
とにかく長いので,気合いで(笑)訳します。2部に分けてGO!:


『幻想から混沌へ---デュ・ファンタズム・オ・カオス---』


国際社会が切望しているのは停戦であり,即刻実行されるべきであるにも関わらず,代わりに行われたのは空爆の一時停止であった。レバノンのカナで起こった弁解不可能な悲劇を機に,国際社会の声にようやく耳を傾け始めたようだ。27日付けル・モンドの記事でジャック・シラクが提案したトリプティック(三部作)---すなわち,停戦,政治ルール交渉,多国籍部隊の軍事介入---は,実際にそれが大統領の言葉どおり”正しい方向”に向けて行われる限り,ごく望ましいものに思われる。しかし,このような状況下でトリプティックを実行すれば,地域的だけではなく,国際社会そのものにおいても,非常に複雑で危険なものになるだろう。

『我々は偉大なる中東の民主主義を必要としている』
ライス女史は,9.11テロ攻撃の翌日にジョージ・ブッシュが表明した考えを踏襲してみせた。その大義名分の下に,アメリカは今日(こんにち)まで,対ヒズボラ軍事作戦を完遂させるべくイスラエルにゴーサインを出すことを正当化してきた。そして今やアメリカでさえ,地方の再編成---ブッシュの言葉を借りれば”リシェイピング”(Reshaping)---を視野に入れて,治安判事的役割を担うべく,停戦へ向けて圧力をかけはじめた。

ニューヨークとワシントンのテロ攻撃は中東の混沌から生じたものだからこそ,中近東を再構成し民主化する必要があり,その歴史的指標を考慮して現状を見据えなければならない。各々(おのおの)が,より大きな衝突のきざしを漠然と感じている。それは最終的に”西欧”諸国とイランを巻き込む戦いになるやもしれない・・・と。

レバノンが,イスラエルが,そして,ガザ,イラクも,戦争に苦しんでいる。そして,武器を伴う近年の衝突のほとんどがそうであるように,大多数の犠牲者は市民なのだ。
そしてそれは,偉大なる民主主義的中東の到来の序章として2003年3月,ブッシュがアメリカ軍を引き連れてやってきた時に,我々に約束したことではなかった。

それ( * 訳注:ブッシュが約束したこと)は,我々の先達が地域的暴政と妥協せざるを得なかった総体的混乱に屈することをよしとせず,”悪の根元”を明確にし,民主主義とイスラム主義,それが生み出すテロリズムに対する唯一無二の治療法である民主主義を推奨していたはずだ。3年後,万が一レバノンのシーア派ヒズボラによる対イスラエル戦争が結果的にシリアとイランを巻き込むことになれば,壮大なる新たな衝突の幕が明けるかもしれない。選挙の勝利に乗じ,混沌はあらゆる地域を浸食した。目下,レバノンはヒズボラの囚人だ。そしてパレスチナはテロリストの囚人となり,自らの運命をハマス過激派に託した。イラクでは,それぞれの民族・地域が自己勢力に投票し,問題の核心が表面化してしまった。 à suivre...(←かなり不安)

* 後半のテーマ --- 『アメリカの不在』(イスラエル=レバノン紛争④)はコチラ → → →

0 Comments

Leave a comment